ネットワークの問題を可視化するSystem Answer G3 新機能「CX監視オプション」

――「CX監視オプション」の特徴とは?

  例えば、Web会議中に通信が途切れたり、遅くなったりすることがあります。しかしシステム管理者に伝えられるのは、「なんだか遅いんだけど、なんだか使えないんだけど」といったボンヤリした内容になりがちです。実際に問題があるのは、使っているパソコンなのか、社内ネットワークなのか、システムなのか、いろいろな原因が考えられます。

そうしたとき、どこに問題があるのかを可視化して、誰でも把握できるようにするのが、「CX監視オプション」です。CXは「カスタマーエクスペリエンス」の略。監視ツールから監視するのではなく、ユーザーに近いエンドポイント側から監視できることが特徴です。

また本製品は、性能監視ツール「System Answer G3」のオプションとして使用します。そのため、過去のデータ履歴に基づいて、将来予測することも可能になります。
――本製品を開発するきっかけは?

実は、4~5年前ぐらいから、計画している製品なんです。一般的な監視サービスは「定点観測」であって、今の状況は一つの定点からしか調べられません。例えば、Webサーバーの速度が気になっても、ネットワークの途中経路しか調査できなければ、「全体として遅い」という結果しか得られません。これまでは、どこに問題があるのか判明させるのが難しかったので、一気通貫に全体感が見える、どこがボトルネックなのか、誰が見てもわかる製品を作りたかったのです。監視イメージは図1のように表示され、ネットワークの問題を可視化することができます。
――開発において苦労したことは?

開発チームとしては全部で7人。その他にプロダクト事業部にも関わってもらって、必要な機能について意見をもらいながら作っていきました。この便利なサービスをより早くお客様に届けるために、タイトなスケジュールで開発を進めたのが、苦労したところですね。
それから、内部のシステム面も含めて新しい製品なので、一から作ることの苦労もありました。中に組み込むサードパーティのプログラムもなるべく新しいものを使うようにしたんです。そのため、うまく動作しないときに調べても、解決のヒントとなる情報がなかなか出てきませんでした。
そのあたり、実装面での苦労もありましたね
――製品の機能として工夫したところは?

エンドポイントからエンドポイントへの監視を行うことが特徴の製品なので、企業の中の情報システム部門だけでなく、その会社で働いている普通の社員の方のパソコンにも「エージェント」プログラム入れてもらう必要があります。そうなると、必ずしも皆さんITに詳しいわけではないので、簡単に導入できるように工夫する必要がありました。いくつかクリックするだけでインストールから設定まで終わり、後は何もしなくても使えるようにしたかったのです。

また、コスト面での工夫もしました。クラウドサービスを使って動かすシステムなので、データ量が多くなって、クラウド上のストレージに置くと、費用がとんでもなく跳ね上がったりするんですね。そこで、データ量を削減するための工夫もしました。
――製品リリースのタイミングは?

秋頃までにリリースの予定です。気の早い営業チームは、もう動いてくれていて、お客様からはかなり期待の声もいただいています。

我々のコーポレートミッション「IT障害をゼロにする」の中で、本サービスは障害の予兆を検知して、予防する役割になります。コスト面でのメリットもあると思いますので、ぜひ導入をご検討いただきたいですね。

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CX監視オプションがマネジメント&モニタリング部門の審査員特別賞を受賞いたしました!
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緊急のトラブルに対応する「119アドバイザリーサービス」

――「119アドバイザリーサービス」はどんなサービス?一般的な保守サービスとの違いは?

中堅企業では、「一人情シス」と言われる方や、総務部と情報システムグループを兼務しているような方もいらっしゃいます。そうした方にも使っていただけるサービスです。

一般的な保守サービスは、機器ごとに提供されます。そのため、ネットワークに問題があって、機器の故障を疑って問い合わせをすると、壊れていれば取り替えてもらえますが、その機器に問題がないケースもよくあります。そんなとき、「うちの機器は問題ないですね」って言われると、別の原因を見つけなければならず、次々にたらい回しのような状況に陥ってしまいます。

「119アドバイザリーサービス」は機器単体ではなくて、お客様の環境にあるITインフラ全体を考慮した上で、原因がどこにあるのかを調査、支援していくサービスです。弊社から導入した機器ではなくても、ログを見るなどして、どこに問題があるのかを切り分けて、お知らせします。
そういった一般的な保守ではできないところをカバーするのが、一番の違いですね。

また、昨今は、セキュリティインシデントの問題もあります。ランサムウェアなどによる情報漏洩リスクトも高まっている中で、セキュリティ支援サービスや、万が一情報漏洩した場合の調査支援なども行います。
――サービスの利用方法は?

現在のところ、障害検知や障害復旧支援を行う「SAMS」のユーザーに向けて提供しているサービスです。トラブルが起きたときに、電話をしてもらえれば対応しています。現在は平日9時から20時までの対応ですが、今後(夏頃を予定)は24時間365日、受付・対応していく予定です。トラブルは往々にして、夜に多く起きがちですよね。「119」の名前のとおり、救急車のように、夜間でも休日でもトラブルが起きたらすぐに対応できるサービスを目指しています。
――サービスの立ち上げでは苦労もあった?

我々のコーポレートミッションである「IT障害をゼロにする」ことをいかに実現するか、立ち返って、お客様のニーズを考えたときに、やっぱりもう1歩2歩踏み込んだサービスが必要なんじゃないか、というところから検討が始まりました。

お客様と定期的に意見交換をさせてもらう中で、「何かあったときにすぐに相談したい」「知見がない分野において第三者の意見を聞きたい」といったご要望をいただくことが多く、立ち上げたサービスです。

他社が導入した機器も調査するなど、かなりチャレンジングだと思っています。もちろん、そのための備えもしていますが、不安やリスクを感じることもありますね。 あえて火中の栗を拾うようなサービスですが、だからこそ、そこにニーズもあるんじゃないかなと考えていますし、本当に困っているお客様のご支援をすることで、より良好な関係性が築けるんじゃないかなとも思っています。
一般的な保守サービスIT障害119アドバイザリー
障害時・機器単体の問題有無の調査支援
・機器単体のログ調査による問題の切り分け
・機器交換
・根本原因の調査
・ITインフラ全体を考慮した問題の切り分け
・セキュリティインシデントの初動対応支援
通常時・製品に関する問い合わせ(既存設定の確認)
・アップデートファイル提供
・ITインフラ全般に関するよろず相談(今後のITシステムについてのご相談等)
・ 構成管理等のドキュメント更新
――今後はどのように展開する?

このサービスは、コンサルティングサービスとインテグレーション事業部のメンバーが中心となって、10名程度で立ち上げました。そのうち半分は若手です。

最初はベテラン社員が対応することも多くなると思いますが、徐々に若手メインで回せるようにしていきます。様々なIT障害に対応することが、若手にとっても成長する経験の場になると考えています。

実は夏頃からは、「SAMS」利用者以外の誰でも利用できるサービス「119レスキュー」を提供予定です。今後は自社ツールに縛られず、コンサルティングサービスを提供していきたいと考えています。

お客様の期待とニーズに応え、なくてはならない存在を目指す


2つの新サービスは、どちらも「IT障害をゼロにする」を実現するための機能を備えています。このコーポレートミッションは最近になって言い始めたものではなく、創業当初から重要さを訴え、啓蒙活動をやってきたものです。

「IT障害をゼロにする」ためには、トラブルが起きたときに考えるのではなく、障害を予防し、未然に防ぐことも重要です。そのことをコンセプトの1つとして、これまでに様々な機能やサービスを追加してきました。そこに我々の思いがあり、そこが他の製品とは大きく違うところだと言えます。その先で、IBCのサービスを気に入ってくれて、頼っていただき、「なくてはならない存在」と言っていただけるようになりたいですね。

2つの新サービス

CX監視オプション

サービス提供例
  • クライアントからクラウド(サーバー)へのレスポンスの遅い原因を可視化
  • ユーザー視点のサービスレベルを把握し、顧客満足度を向上
  • 複雑化したネットワーク環境における通信遅延の早期検知、迅速なボトルネック特定を行い、ネットワーク品質の向上
  • 問題の切り分けから復旧までの時間を短縮し、TCO 削減に貢献

119アドバイザリーサービス

サービス提供例
  • 管理ドキュメント(構成図(物理、論理)、機器台帳、ポートアサイン表など)の更新
  • IT インフラ全般におけるトラブル原因の把握、事象の調査、技術的な支援
  • セキュリティインシデント発生時の初動対応支援
  • セキュリティを含むITインフラ全般に関するよろず相談