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自社ソフト「System Answer」
開発への挑戦

  • ビジネスソリューション事業本部 
    プロダクト事業部 副事業部長
    2005年 入社 E.B
  • ビジネスソリューション事業本部 
    プロダクト事業部 プロダクト開発部
    2007年 入社 K.K
究極は、監視や運用のいらない世界の創造。
それが、「IT障害ゼロ」につながる。
開発の背景

たった3人のエンジニアで、
“誰でも使える”
監視・管理ツールを目指した。

E.B:
ITインフラを監視・管理するサービスを提供しているIBCは、性能監視に必要なソフトウェアが自社製であることが大きな特長。もちろん、現在の主力製品である「System Answer(システムアンサー)」も自社で開発しています。 IBCには「BT monitor」という監視ソフトがあったのですが、日々進化するITシステムに合わせた機能や UI(ユーザーインターフェース)、デザインが求められてくる。それで「新しい製品をつくろう!」となったのが、2005年くらいです。
K.K:
私は2007年に新卒で入社して開発に加わりました。当時のE.Bさんは、前身の「BT monitor」もやりながら、「System Answer」の開発もされていた。かなり大変だったのでは?
E.B:
大変だったのは、お互い様でしょう。そもそも開発メンバーは3人。「BT monitor」というベースがあったとはいえ、ほぼ新しい製品をたった3人でつくらないといけません。 米づくりで例えるなら、目標とするお米の品質は決まっているけれど、その育て方がまったくわからない状態。 年齢や上下関係もおかまいなしで、がむしゃらに取り組んでいました。
K.K:
デジタルツールの開発でしたが、作業はとにかく人力でしたね(笑)。その頃は情報管理までできる監視ツールはめずらしかったですし、私たちは「誰でも簡単に使える」ことを目標にしていたので、さらに高いハードルだと感じました。
E.B:
あの頃は、ITシステムの監視は問題が起きてから導入するものだと考えられていて、今ほど重視されていませんでした。でも、システムに異常が発生すればインターネットやメールが使えなくなって仕事に支障がでます。だから、ITシステム全体を監視することに加えて、予兆を検知する「情報管理」で問題が起こる前に対策することの大切さを提案できるようにしました。そのうえで追求したのが簡便さ。どんなに良いソフトウェアであっても、操作がむずかしいと使ってもらえませんから。改めて考えても、難易度の高い開発でしたよね。
開発の苦労と喜び

「簡単・すばやい・わかりやすい」
を突き詰めた、
ファーストバージョンが完成!

K.K:
開発では、アラートの処理を担当していました。「System Answer」はITシステム全体を監視し、傾向を把握して問題が起こる予兆を検知します。この予兆があったときや問題が起こったときは、アラートですばやく通知できないといけません。監視とアラートはセットなんです。さらに、早さだけでなく、正確に伝えられることも大切。「System Answer」はお客様が備えている既存システムに組み込むソフトウエアなので、ハードウェアごとに異なるアラートの呼び出し方法に対応する必要があります。そのプログラムの作成には苦労しました。
E.B:
それは監視部分でも同じです。従来の監視ツールでは、それぞれの機器やサーバーに合わせて監視項目などを設定する必要がありました。 でも、テンプレートを用意している「System Answer」は、多種多様なベンダーに対応しています。 テンプレートを選ぶだけですべてが自動で設定されるため、お客様ご自身での設定は基本的に不要なのです。
K.K:
誰でも簡単に使えるという視点で考えると、「情報の見える化」はとても大切です。「System Answer」では、視覚的なわかりやすさにもこだわりました。 ITシステムの稼働情報や監視状況などをグラフで見られるのは、今でこそ当たり前になっていますが、その頃はめずらしかったと思います。私は画面デザインも担当していたので、誰が見てもわかりやすいシンプルな画面づくりを心がけました。
E.B:
ITシステム全体を簡単に監視できて、問題があればすばやくアラートがあがり、情報も目で見てわかりやすい。それを突き詰めたのが「System Answer」です。最初のバージョンをリリースしたのが2008年12月で、開発スタートから3年以上が経過していました。ただ、発売当初はそこまで売れなかったんですよね。
K.K:
簡単に監視できてグラフの表示も速いと評価されましたが、既存の「BT monitor」がありましたからね。。
E.B:
それに、こういうソフトウェアは“発売して終わり”というわけではない。さらに良いものにアップデートしていくものなので、営業担当からお客様の意見をヒアリングし、製品に反映していきました。営業はフロントに立って戦ってくれているので、彼らが売りやすいようにするのも我々技術職の役目。そうやっていくうちに、売上が伸びていきました。
「System Answer」のこれから

新しい機能やサービスを
積極的に取り入れ、
お客様の期待を常に
越えていく。

E.B:
2008年12月に初代を発表し、2011年7月に「System Answer G2」、2017年7月に「System Answer G3」をリリースしています。
K.K:
「G2」「G3」のアップデートでは、監視する規模を大きくしたり、より詳細に情報を管理したり、できることの幅を広げています。お客様のニーズに応えて追加していったものですが、今までの動作を維持しつつ機能を追加していくことに苦戦しました。
E.B:
初代をリリースして約15年、「System Answer」は多くのお客様から評価いただいています。ですが私たちは、まだまだ発展途上の製品だと思っています。新しい機能や新しいサービスをどんどん取り入れて、 現在ご利用いただいている方の期待を常に越えていきたいですね。そうしないと、急速に変化しているIT業界で生き残れませんから。
K.K:
「System Answer」の開発をはじめたときには、現在のようなクラウドサービスはなかったですし、AIも普及していませんでした。技術は日々進化していて、できることが増えています。私自身も、もっとAIを活用できないかと模索しています。
E.B:
コロナの影響も大きかったですよね。オフィスに人がいなくなったから「社内環境の監視なんていらない」なんていう声も聞こえてきて、自分たちの製品の存在意義を問い直した時期でもあります。 その答えというわけではありませんが、「監視や運用をしなくていい世界をつくりたい」と考えるようになりました。監視や運用は手間がかかるので、お客様はできるだけやりたくないと思うんです。でも、現実的にはやらなくてはいけません。ならば、「System Answer」という便利なツールが監視・管理のすべてを引き受ければいい。それができれば「お客様の負担をゼロ」にできるし、「IT障害ゼロ」というIBCのミッションの実現にもつながると考えています。

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